広報ニュース

第188号インダストリオール・ウェブサイトニュース

インダストリオール世界自動車会議 ― 転換と組織化に焦点

2025-03-18


3月4-6日にインド・プネーでインダストリオール・グローバルユニオン世界自動車会議が開催され、22カ国の36組合から100人を超える労働組合員が集まった。参加者は、自動車部門の労働者が直面している緊急の問題、すなわち産業転換、公正な移行、不安定雇用、ジェンダー平等、全世界でより強力な組合を構築する必要性に取り組んだ。


転換と公正な移行――労働者を置き去りにしてはならない

電気自動車化とオートメーション、デジタル化による自動車産業の急速な転換が、会議全体の中心テーマだった。電気自動車(EV)への移行は生産モデルやサプライチェーン、雇用を混乱させており、労働組合は労働者がこの移行の犠牲にならないようにするために闘っている。

調査専門家のロレンツァ・モナコ博士が、世界の自動車産業の転換は、特にこの産業(およびモビリティー部門)への新規参入企業、環境圧力、サプライチェーンの混乱に関して不確実性を特徴としている、と説明した。これらの課題にもかかわらず、多くの国々、特にグローバルサウス諸国が、この部門の未来を確保するために自動車工業化・技術への投資を続けている。

「重要な問題が残っている――労働者・組合は、どうすれば適正賃金と雇用保障、持続可能な産業政策を確保するために、この移行に影響を与えることができるか」とモナコ博士は述べた。

企業が明確な政治的指針のないまま巨額の資金を電気自動車化に投資し、顧客の需要が変動している世界では、労働者に対するリスクが大きい。労働組合は、リスキリングとアップスキリング、先を見越した移行措置を強く要求しなければならない。組合は、組合員の未来を確保する根拠に基づく戦略を開発するために、重要な産業・企業データへのアクセスも要求している。

一連の議論で持ち上がった覚えておくべき重要点は、公正な移行は組合だけでは達成できないということである。政府、産業およびソーシャル・パートナーが、雇用保障、適正賃金、強力な労働者保護を確保するために関与しなければならない。

組合つぶしおよび不安定雇用との闘い

世界中から集まった参加者が、労働組合権に対する容赦ない攻撃の目撃談を共有した。米国メルセデスの組合つぶしから、インド、メキシコその他の国々の組合弾圧まで、自動車産業は依然として組織化に敵対的な部門である。

クリスティン・オリビエ・インダストリオール書記次長が、組合攻撃への戦略的対応の必要性を強調した。

「企業は低コスト地域に雇用を移し、不安定な契約を利用し、労働者の力を弱めるためにできる限りのことをしている。これは世界的傾向であり、抵抗する唯一の方法は組織化だ。組織化しなければ敗北する」

スウェーデンのテスラ労働者は16カ月に及ぶ歴史的なストを実施しており、世界有数の攻撃的な反組合的企業に対抗している。米国では、チャタヌーガのフォルクスワーゲン労働者が3回目の試みでようやく組合代表を確保したが、アラバマのメルセデス労働者は極端な組合つぶし、威嚇、ごく僅差での選挙敗北に直面した。挫折があったにもかかわらず、労働者は組織化して勝利するという決意を変えていない。

これらの闘いから得られた主な教訓は、現場のキャンペーンが組合組織化成功の基礎だということである。労働者はすべてのキャンペーンの中心でなければならず、組合は柔軟性を保ち、絶えず状況を評価し、効果を最大限に高めるために必要に応じて戦略を調整しなければならない。

国際連帯の役割

会議の最も強力なメッセージの1つは、国際労働組合ネットワークがこれまでになく重要になっているということだった。インダストリオールは世界的自動車会社の労働組合ネットワーク構築に重要な役割を果たしているが、資金供給がいまだ課題である。参加者は、特にオートバイや商用車といった小部門で、またグローバル・サプライチェーンで、もっと多くのネットワークが必要かどうか、どうすればネットワークを維持できるかをめぐって討議した。

この会議では、連帯は個々の事例に限定できないことが強調された。連帯は、各国ごとの問題だけでなく、特に人権デュー・ディリジェンス関連の政策や法律の活用によって、組織的なサプライチェーンの課題にも取り組まなければならない。多くの組合が、産業全般にわたる懸念に効果的に対処するために、戦略的グローバル・キャンペーンの拡大を要求した。

インドは組合の力のモデル

インドは世界で最も成長の早い自動車市場の1つだが、不安定雇用、低賃金、緩い労働法が依然として大きな課題となっている。インダストリオールは2012年以降、インドで組合構築を支援してきた。

インドは、長期にわたる組合の関与が労働者の力を強化できることを示すモデルとなっているが、この闘いは決して終わってはいない。多くの労働者が今も度を越した搾取にさらされており、企業は契約雇用を利用して責任を逃れ続けている。

産業転換へのジェンダーに対応したアプローチ

この会議では、自動車部門のジェンダーギャップにも取り組み、産業転換によって既存の不平等が悪化する危険があることを認めた。

重要な懸念点は、新技術への移行にあたって女性労働者の失業リスクが高まることである。前向きの政策がなければ、オートメーションと再編成で賃金格差と女性の雇用不安が悪化する恐れがある。

組合は、より多くの女性を労働運動に勧誘し、定着させるための戦略を共有した。

  • インドネシア:組合は、チーム育成活動、リーダーシップ訓練、交渉に関する教育を通して女性を関与させている。
  • ベルギーとモロッコ:ホットライン、職場ポスター、ジェンダーに基づく暴力意識向上キャンペーンによって、女性の条件を改善している。
  • トルコ:女性労働者は、団体交渉と組合代議員会議に参加しようと努めている。
  • インド:プネーのタタ・モーターズ工場には女性のみの組立ラインがあるが、多くの女性が不安定な契約雇用のままである。

ジェンダーをめぐる議論の覚えておくべき重要点は、組合の権力分担を優先しなければならないということだった。

「女性に組合に包摂されていると感じてもらいたければ、女性との連絡や関与の方法を変えなければならない」とある参加者は述べた。

組合は、女性参画を制限している社会規範にも異議を申し立て、EVとデジタル化への移行にあたって柔軟な勤務スケジュール、労働安全対策の改善、ジェンダーに対応した政策を得ようと努めなければならない。

今後の措置:組織化、公正な移行、世界的な連帯

参加者は会議が終わりに近づく中で、今後の活動には具体的行動が必要であることに合意した。優先課題は以下のとおり。

  • 反組合戦術および不安定雇用と闘うために、国際労働組合ネットワークを強化する。
  • 契約労働者を組合に組織するために、自動車部門、特にサプライチェーンで組織化を拡大する。
  • 真の公正な移行によって、新技術への移行に際して労働者が再訓練を受け、保護されるようにすることを強く要求する。
  • この部門でジェンダー平等を改善し、産業転換において女性が取り残されないようにする。
  • 戦略的な世界規模の交渉連携(労働者の力を強化するために契約満了の時期を合わせる等)を深める。

「地政学的緊張と右派による労働権攻撃に負けず、ともに闘い続けなければならない」とオリビエは述べた。

「グローバルな連帯と組織化、戦略的行動によって、この転換で労働者が取り残されないようにすることができる」

会議は最後に明確なメッセージを出した――前途は厳しいが、労働組合は連帯と決意によって、今後とも国境を越えて労働者の力を強化し、自動車産業の未来を形成するうえで決定的な役割を果たしていく。

会議の写真を見るには下記をクリック:
https://www.flickr.com/photos/industriall_gu/albums/72177720324302654

【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/industriall-auto-world-conference-focus-on-transformation-and-organizing

 

女性デー行動で証明――平等を求める闘いは日々の闘い

2025-03-19


3月8日、世界中の女性労働組合員が行動を起こした。南アメリカからインドまで、工場の生産現場からオフィスまで、祝うためだけでなく根強い不正に立ち向かうためにも、行進したり、集会を開いたり、声を上げたりした。出産手当の改善、団結権、団体交渉の強化、ジェンダーギャップの解消を要求した。


ありきたりの国際女性デーではなかった。これはグローバルな行動要請だった。

国際女性デーを記念する世界的な行動の一環として、ドイツの組合IGメタルの会長でもあるクリスティアーネ・ベナー・インダストリオール副会長が、ジェンダー平等のための継続的な闘いを強調する力強いビデオメッセージを届けた。副会長は、組合指導部の女性参画拡大、団体交渉によるワーク・ライフ・バランスの獲得、伝統的に男性優位の産業で女性を支援するためのIGメタル内部の構造変化など、主要な業績を取り上げた。ベナーのメッセージは、万人のためにより包括的で公平な未来を形成するうえでの集団行動の重要性を強調していた。

国連女性の地位委員会(CSW69/北京+30)で、グローバル・ユニオンは1つのことをはっきりさせた――約束の時は過ぎた。グローバル・ユニオンは、ジェンダー変革的な社会契約、つまり、口先だけで平等を支持するのではなく、真の構造変化を起こす社会契約を強く要求している。

インドネシアの女性労働者は大胆な措置を講じ、ジェンダーに基づく暴力と差別の事例が根強く見られる衣料産業で公正を要求した。南アフリカでは、NUMの全国女性大会が家父長制と職場におけるジェンダーに基づく暴力と闘うことを誓約し、この闘争が政策だけでなく労働者の日常の現実にも関係していることを再確認した。

グローバル・ユニオンは以下を共同で要求している。

  • 社会的公正、民主主義および平和のためのジェンダー平等
  • 人権としての女性の労働権の承認
  • 女性のディーセント・ワーク
  • 同一価値労働同一賃金
  • ジェンダーに基づく暴力とハラスメントのない職場

指導的地位の女性――存在から権限へ

今年のインダストリオールのテーマ「指導的地位の女性」は、障壁を打ち破る女性を称賛している。指導的地位の女性は、組合を主導し、より公正な職場を取り決め、ジェンダー平等とは会議に参加するだけでなく、未来を形成する発言権を持つことでもあることを証明している。

ブラジルからトルコまで、製造工場から組合指導部の最高レベルまで、女性が歴史を書き換えている。女性たちのメッセージは明確である。

指導的地位の女性に向けた努力は、インダストリオールの優先課題であるのみならず、グローバルな運動でもある。ITUCの指導的地位の女性イニシアティブは、代表だけでは十分ではなく、真の権限とは女性が交渉を指導し、政策を形成し、組織的な変化を推進することでもあると認めることによって、この闘いを増強している。全世界の女性労働組合員がこのビジョンを推し進め、リーダーシップ構造に女性が代表する労働者を反映させるようにしている。要求は明白である――女性のリーダーシップは例外ではなく、基準でなければならない。

女性はもはや協議に参加する権利を待ってはいない。それを獲得しようとしている。そして、この闘いは国際女性デーだけでなく毎日毎日、指導的地位の女性が例外ではなく基準である世界を求めている。

壁を壊し、他者を引き上げる

 「女性労働組合員にとって、この闘いは1日だけのものではない。同一賃金、安全な職場および主導権の要求を日常の現実にするための闘いだ。目的は、壁を打ち破り、自分たちと一緒に他の女性たちを引き上げ、次世代が何度も何度も同じ闘いをしなくてすむようにすること」

「私たちの闘いは24時間では終わらない。生涯にわたって続く。私にこれが分かるのは、それを実践してきたからだ」とクリスティーナ・オリビエ・インダストリオール書記次長は述べた。

労働者の連帯がホワイトカラー労働者組織化の鍵

東南アジアの女性オルグがこのメッセージを補強し、バーチャルフォローアップセッションを開催、資金の削減や職場の分裂のような課題にもかかわらずホワイトカラー労働者の組織化に関する戦略を立てた。討議の中で、連帯の力、雇用保障、直接的な取り組みによる労働者の懸念への対処が強調された。

ヨーロッパの労働組合員は、ジェンダー平等と女性のリーダーシップへのコミットメントを再確認した。インダストリオール・ヨーロッパ労働組合は、平等方針が机上の空論に終わらず、職場で女性のために真の変化をもたらすようにすることの重要性を力説した。メッセージは明確である――ジェンダー平等は基本的な労働組合問題であり、それを達成するには集団行動と継続的な圧力が必要とされる。

言葉を実行に移す

インダストリオールは平等について語っているだけでなく、それを実現している。インダストリオールは今年、適正賃金と女性の仕事の完全な承認を求めて闘うための具体的な手段を加盟組織に与えるために、新しい賃金平等訓練モジュールを発表した。これらのモジュールはフリードリヒ・エーベルト財団(FES)の支援によって開発されたもので、単なる訓練資料ではない。これは変革への青写真である。

女性の平等を求める闘いは終わっていない。これは流行でも一時的な行動でもない。革命である。

すべての工場、すべての組合、すべての国の女性には、受けるに値する権利と尊厳、権限がある。

私たちは関連部門の多くでインダストリオールのネットワークの女性に接触し、指導的地位の女性と、インダストリオールの女性指導者の指導を受けている女性に質問した。回答が一斉に返ってきており、非常に多いので女性デーにすべてを紹介することができない。だから、クリスティーナ・オリビエの言葉を借りれば、これは一時的な行動ではなく1つの運動なので、インダストリオールの女性の多くの声に引き続き耳を傾けるようにしてほしい。これを共有するために特別な日は必要ない――ただ毎日、女性の声を聞き続ければよい。

【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/womens-day-actions-prove-the-fight-for-equality-is-every-day

 

法律から行動へ: 人権デュー・ディリジェンス法を通じて労働者の権利を強化する新しいセンター

2025-03-19


2025
年3月20日、グローバルユニオンとドイツ政府代表は、今年後半に開設予定の「人権デュー・ディリジェンス・コンピテンス・センター」の設立を正式に発表する。同センターは、グローバル・バリュー・チェーンや企業活動全体で労働者の権利を確保するために、サプライチェーンにおける企業デュー・ディリジェンス義務に関するドイツ法やEUの企業持続可能性デュー・ディリジェンス指令(CSDDD)などの国内法・EU法を活用する労働組合を支援する。


UNIグローバル・ユニオン(UNI)とインダストリオール・グローバルユニオンは、 ドイツのプロジェクト・パートナーであるフリードリヒ・エーベルト財団およびドイ ツのナショナルセンターであるDGBとともに活動している。初期資金は、ドイツ連邦経済協力開発省(BMZ)が支援するGIZプログラムである「グローバル連帯イニシアティブ」が提供している。

「ドイツとヨーロッパにおける自主的ガイドラインから 強制力のある人権デュー・ディリジェンスへの移行は、世 界中の労働者の権利にとって画期的な瞬間である。私たちは今、多国籍企業に、そのバリューチェーン全体および事業活動全体における人権の尊重について、真に責任を問う法的枠組みを手に入れたのである。この転換は、労働者の権利を擁護する労働者を支援する世界の労働組合運動の能力を大きく押し上げるだけでなく、 競争の土俵を平準化することによって企業にも役立つ。この転換は、世界中の労働者を弱い立場に置く破壊的な底辺への競争にブレーキをかけるものである。」

とUNI副書記長のアルケ・ベッシガーは言う。

3月20日のイベントでは、組合指導者、法律立案者、使用者が、デュー・ディリジェンス法がグローバル・サプライ・チェーンをより強靭で公正かつ責任あるものにするためのセンターの役割について議論する。

「グローバルな労働運動は、世界中の労働者の権利を強化するために人権デュー・ディリジェンス法を活用することに強い関心を持っている。他の グローバルユニオンと協力することで、ドイツのようにこれらの法律が発祥した国の組合と、 人権侵害が蔓延しているサプライチェーンの組合との間のギャップを埋めることができる。新しいコンピテンス・センターは、人権デュー・ディリジェンス義務がグローバル・バリューチェーン全体の労働条件の具体的な改善につながるよう、能力構築と法的専門知識を提供する重要な資源となる」

とインダストリオール書記長のアトレ・ホイエは言う。

「強力な法律によって労働者に真の変化をもたらすためには、強固な協力が必要である。人権デュー・ディリジェンス・センターの設立は、法的枠組みを具体的な行動に移す上で、労働組合、連邦経済協力開発省、フリードリヒ・エーベルト財団の協力の力を証明するものである。専門知識とリソースを結集することで、このセンターは、人権デュー・ディリジェンス法が単なる紙の上の言葉ではなく、グローバル・サプライチェーンにおける労働者の権利と企業の説明責任を強化する強力なツールとなることを保証する」

とDGBのヤスミン・ファヒミ会長は言う。

UNI、インダストリオール、DGBで構成されるセンターの運営委員会は、3つの主要目標に焦点を当てる:

  1. 人権デュー・ディリジェンス法(まずはドイツから)のある国やグローバル・ サプライチェーン全体で労働組合の能力を構築し、労働者の権利擁護において企 業のデュー・ディリジェンス義務をより効果的に活用できるようにする。
  2. 優先順位の高いバリューチェーンにおいて、労働者の権利を保護し違反を防止するために HRDD を利用した戦略的介入を支援する。
  3. 企業や政策立案者による効果的な人権デュー・ディリジェンスの実施を提唱する。
    幅広い代表と協力を確保するため、さらに労働組合と専門家を諮問グループに招き、センターの戦略を策定し、必要に応じて行動を調整する。

コンピテンス・センターはオランダの非営利財団として登録され、物理的な事務所を持たずにバーチャルで運営される。2025年第4四半期に正式に発足する予定である。

背景

ドイツのサプライチェーン・デュー・ディリジェンス法は2023年1月から施行されており、同センターの活動の主要な焦点となる。サプライチェーン法は、大企業(従業員1,000人以上)に対し、グローバルな事業活動やサプライチェーンにおける人権侵害や環境破壊のリスクを特定、緩和、防止するための人権デュー・ディリジェンスの実施を義務付けている。

EUの企業持続可能性デュー・ディリジェンス指令(CSDDD)は2024年6月に採択され、2026年以降すべてのEU加盟国が実施しなければならない。CSDDDが施行されれば、センターの任務は拡大される。2025年2月、欧州委員会は、CSDDDを含む複数の持続可能性関連法を改正する「オムニバス提案」を発表した。オムニバス提案の目的は官僚主義を削減することであるとされているが、提案されている改正案は指令の主要な条項を弱めるものであり、労働組合や市民社会団体からはオムニバス提案に大きな反対が出ている。

写真 Saijoinx工場労働者。電子部品製造会社。日本、京都。著作権所有: マルセル・クロゼット、ILO

【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/from-law-to-action-new-centre-to-strengthen-workers-rights-through-human-rights-due-diligence-laws

 

ILOにミャンマーに対する第33条の適用を強く要請

2025-03-20


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月15日~16日、ミャンマー全土で平和的なデモが発生し、ILOに対して憲法第33条を発動し、調査委員会の勧告を厳格に適用するよう求めた。


今月初めには、数百人が、カチン州上カチン地区、カヤン州南部、シャン州東部、サガイン地域、そしてヤンゴン地域の商業地区の通りをパレードし、「ILO – 強制労働、児童兵士、強制的な軍事徴兵、村への爆撃を止めるために、私たちは第33条を必要としている」というメッセージを掲げた横断幕を掲げた。

2021年2月1日に暴力的に政権を掌握したミャンマー軍事政権は、2023年に発表されたILO調査委員会の勧告に従うことを怠っている。ミャンマー労働組合連盟(CTUM)とミャンマー製造労働者連盟(IWFM)は、ILO憲章第33条の発動を求める世界的なキャンペーンを開始した。同条の発動により、ILO理事会は委員会の報告書に従うよう勧告する権限が与えられることになる。

委員会の報告書は、結社の自由の行使を損なう労働組合指導者に対するあらゆる形態の暴力や拷問の即時停止、合法的な労働組合活動への参加を理由に拘束・有罪判決を受けた労働組合活動家の即時釈放、労働組合活動家に対するすべての刑事告発の取り下げ、軍による強制労働や児童を含む人々の軍への強制徴用の廃止を求めた。

3月17日、ILO理事会は委員会報告書の続報を発表した。ミャンマーにおける広範な労働者の権利侵害に関する国民統一政府(NUG)、CTUM、インダストリオール・グローバル・ユニオンからの情報について言及した。

理事会は1月15日にミャンマー軍事政権から報告書を受け取ったが、その報告書には委員会報告書に関連する具体的な行動が示されていなかった。その報告は「労使関係、紛争解決、訓練、意識向上、査察活動」について報告しただけだった。軍部はILOのハイレベル代表団をミャンマーに招き、労働条件を評価するよう要請した。

その結果、ILO理事会はミャンマーにおける民主主義の回復と基本的人権の尊重に関する決定草案を作成し、ミャンマーによる委員会報告の順守を確保するためにILO憲章第33条に基づく措置をILO総会で検討するよう勧告した。

「私たちはILO理事会の決定草案を歓迎する。この草案はILO憲章第33条の発動を促す前向きなシグナルである。テロリストの軍事政権下での日常的な苦難は終わらなければならない。国際組織は、自ら提唱する普遍的人権の価値のために立ち上がるべきである」

とIWFMのカイン・ザー会長は言う。

インダストリオールのアトレ・ホイエ書記長は次のように述べている。

「私たちは、ミャンマーの民主主義と法の支配の回復を求める闘いにおいて、ミャンマー国民と労働者と連帯する。インダストリオールは、国際・地域フォーラムで調査委員会の勧告の完全かつ即時の実施を求めるキャンペーンを行うために、加盟組織にあらゆる支援を提供する。」

【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/ilo-urged-to-enforce-article-33-on-myanmar

 

プラヴィーン・ラオを称える:優しさ、献身、連帯の遺産

2025-03-20


インダストリオール・ファミリーは、親愛なる同僚であり、労働者の権利のためにたゆまぬ努力を続けてきたプラヴィーン・ラオの死去に悲しみに暮れている。プラヴィーンは献身的な労働組合活動家である以上に、親切で寛大な人間であり、彼を知る特権に恵まれたすべての人に深い印象を残した。


数十年にわたり、プラヴィーンは労働者の権利のために闘うことに身を捧げ、常に公正でより公平な世界の実現に努めてきた。彼の労働運動における歩みは、献身と偉大な影響力の軌跡であった。インダストリオールに加わる前は、労働調査・教育に広く従事し、労働組合指導者の訓練、産業動向のマッピング、脆弱な労働者の擁護で重要な役割を果たした。賃金、不安定労働、インフォーマル労働者の権利に関する広範な調査を実施したマニベン・カラ研究所での初期の頃から、主要な国際プロジェクトでの影響力まで、プラヴィーンの労働運動への貢献は深く、広範囲に及んだ。

プラヴィーンは南アジアにおけるインダストリオールの活動でも重要な役割を果たした。2014年にプロジェクト・コーディネーターとして働き始め、不安定雇用の問題に情熱と決意を持って取り組んだ。彼はすべての労働者が尊厳、安定、公正な待遇を受けるに値すると信じ、その実現のために努力した。その後も、組合結成、多国籍企業のサプライチェーン、船舶解撤に関するプロジェクトを主導し、常に目的意識と正義感を持って取り組んだ。

しかし、プラヴィーンの遺産は彼が成し遂げた業績をはるかに超えるものであり、人々が最も記憶にとどめるのは、彼がその業績を成し遂げた方法である。彼は静かな強さと、周囲の人々を安心させる落ち着きのある存在感を持っていた。プレッシャーの高い状況下でも、彼は優雅にふるまい、ストレスは問題の解決にはつながらないが、団結と連帯は問題の解決につながることを示した。

同僚たちは、彼の絶えることのない笑顔、寛大さ、そして他人を助けることへの意欲を忘れないだろう。彼は感謝の気持ちを表現することを大切にし、彼を助けてくれる人々に対して、彼自身が他人を助ける準備ができているのと同じくらい感謝していた。彼は労働組合主義の真髄を体現しており、労働者の権利のために戦うだけでなく、相互支援と人道主義の精神を育んでいた。

ムンバイを拠点とするプラヴィーンは、インド国内および国外の労働者の実情に真に精通していた。彼の仕事は、サプライチェーンや船舶解撤業界で不安定な雇用に苦しむ人々が直面する闘争に対する深い理解に根ざしていた。

この突然の喪失は、インダストリオールにとっても、より広範な労働運動にとっても大きな痛手であるが、何よりも、彼を知るすべての者にとって個人的な損失である。私たちは、プラヴィーンの仕事だけでなく、あらゆる人との関わりに彼がもたらした温かさ、親切さ、誠実さを忘れないだろう。

プラヴィーンは、彼の最大の誇りであった最愛の妻と息子たちを残して逝った。この困難な時期に、私たちの思いと深い哀悼の意を彼らに捧げたい。彼がどれほど尊敬され、賞賛され、共に働いた人々から愛されていたかを知り、彼らは慰めを見出すだろう。

団結の精神をもって、私たちは彼が信条とした価値のために戦い続ける。そして、私たちは嘆き悲しみながらも、正義、平等、そして親切に捧げられた彼の人生を称える。

Rest in power プラーヴィーン。あなたの影響力は決して忘れません。

【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/honouring-praveen-rao-a-legacy-of-kindness-commitment-and-solidarity

 

イタリアの金属労働者、公正な交渉を求めてスト

2025-03-27


3月28日、イタリア全土の金属労働者が8時間の全国ストを行い、全国労働協約(CCNL)の更新をめぐる交渉の再開を要求する。2024年11月に使用者団体のフェデルメカニカおよびアシスタルとの交渉が行き詰まり、組合側は行動を拡大した。


労働者は全国で行進し、生活水準を侵食する停滞や譲歩は受け入れないという明確なメッセージを送る。労働者の要求には、賃金停滞、雇用不安および不十分な職場保護に対する措置が含まれる。

インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織のFIOM、FIMおよびUILMとインダストリオール・ヨーロッパ労働組合は、使用者側が有意義な対話を拒否したことを受けてストを主導している。公正な契約の不提示は労働者の賃金と権利を脅かすものであり、不満が広がっている。

CCNL交渉は2024年5月30日に始まった。11月12日までに8回の協議が行われ、フェデルメカニカとアシスタルは、賃上げをインフレ傾向だけにリンクさせる枠組みを提案した。このアプローチは賃金を停滞させる恐れがあり、2021年以降の協定を弱体化させる、と組合側は主張している。

それを受けてFIOM、FIMおよびUILMは、2024年12月から2025年2月にかけて16時間のストを組織し、超過労働とフレックスタイム制を停止するなどした。しかし、使用者側が態度を変えなかったため、事態が悪化して3月28日のストが決まった。

フェデルメカニカとアシスタルは経済問題を引き合いに出し、4年間(2025-2028)で173.37ユーロ(187.09米ドル)という統合消費者物価指数(IPCA)と連動した賃上げに加えて、選択的給付金と保険の拡充を提示した。しかし組合側は、これらの措置では適正賃金と雇用保障が確保されないと主張している。

インダストリオール・ヨーロッパ労働組合とインダストリオール・グローバルユニオンは、FIOM、FIMおよびUILMの闘いを全面的に支持している。

「私たちは、協定最低賃金を目に見える形で引き上げ、インフレ率を上回るようにして購買力を守ることを求める労働者の要求を断固支持する。さらに、職場と契約上の合意の両方で、労働者の権利を拡大し、雇用不安と闘い、労働時間を短縮し、安全衛生保護を強化しようとする労働者の取り組みを支持する」とアトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は述べた。

「イタリアの同僚と、生活水準の低下との彼らの闘いを支持する。全国労働協約の更新を求める彼らの要求を支持し、3月28日の8時間ストに全面的な連帯を表明する」とジュディス・カートン=ダーリング・インダストリオール・ヨーロッパ労働組合書記長は述べた。

【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/italian-metalworkers-strike-for-fair-negotiations

 

バングラデシュ:組合リーダーは釈放されたが、闘いは続く

2025-03-27

バングラデシュの労働組合NGWF(全国縫製労働者連盟)のカビル・ホセイン共同書記長は、ポロ・コンポジット・ニット・インダストリーズが起こした虚偽の事件で3月12日に不法逮捕された後、3月21日にようやく釈放された。


3月8日、ポロ・コンポジット社の労働者は賃金未払いと違法解雇に抗議した。この抗議は経営陣によって容赦なく粉砕され、組合委員候補は身体的暴行を受け、違法に解雇された。カビル・ホセインは、労働不安と暴力を誘発し、2,500万バングラデシュ・タカ(20万3,532米ドル)相当の資産を盗んだ罪で告発された。3月12日、警察はサバールにあるNGWF事務所を襲撃し、組合の書類を押収し、組合事務所を破壊し、ポロ・コンポジットでホサインと委員長予定者、書記長予定者を不法に拘束した。彼らはその後、経営側が提訴した事件に基づいて逮捕された。

NGWFがポロ・コンポジットで労働者の組織化に取り組み始めて以来、経営側は委員長と書記長を含む組合委員候補への嫌がらせや脅迫にあらゆる手を尽くしてきた。昨年11月、労働者が10月の未払い賃金を要求してストライキを行った際、経営側はストを打ち切るためにチンピラを雇い、組合委員長と書記長候補を含む8人の労働者に対して虚偽の告発を行った。彼らは、工場の門を塞ぎ、労働者や役人の工場への立ち入りを妨害し、部外者と共謀して工場に侵入し、警備部長を襲撃し、事務所の所有物を破壊し、事務所の家具を盗んだとして告発された。

また、8人の労働者には未払い賃金が支払われなかった。このようなことは、ポロ・コンポジットでは常態化しており、労働者が不当な労働慣行に対して声を上げると、解雇、身体的攻撃、刑事告発に遭う。

NGWFは同社に対し、BGMEA(バングラデシュ縫製品製造業・輸出業協会)に数件の苦情を申し立てるとともに、労働裁判所に提訴している。現在、17件の労働者の訴えがBGMEAに持ち込まれている。

NGWF会長のアミル・ハク・アミンは言う:

「縫製工場のオーナーが労働者の声を抑圧し、労働指導者を脅迫しようとしていることは明らかだ。我々はカビル・ホセインの不法逮捕を強く非難する。保釈命令にもかかわらず、彼の刑務所からの釈放は経営者によって2度も阻止された。我々は、経営陣と国家当局に対し、迫害を恐れずに労働組合を結成・参加する労働者の基本的権利を尊重するよう強く求める」。

カビル・ホセインの冤罪事件での保釈には、このような「犯罪」で再び告発された場合、次回の保釈は認めないという条件が付されている。NGWF関係者によると、ホセインは経営陣からの脅迫や監視に直面し続けているため、この地域で組合活動を続けることができない。

インダストリオールの南アジア地域事務所長、アシュトシュ・バタチャリヤは言う:

「我々はポロ・コンポジットで働く労働者の闘いに敬意を表し、NGWFと完全に連帯する。我々はバングラデシュ政府に対し、ILOロードマップにおける政府の公約に反しているとして、この問題を直ちに調査するよう求める」。

写真クレジット:バングラデシュ、工場を出る労働者たち。クロゼット・M/ILO

【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/bangladesh-union-leader-released-from-jail-but-the-fight-continues

 

ベルギーの労働組合、ミャンマーでの軍服生産の中止を要求

2025-03-27


ベルギーの労働組合は、軍服を製造するシオン社に対し、ミャンマーでの生産を直ちに中止するよう求めている。同国では軍事政権下で深刻な人権および労働権侵害が起きているためだ。


2021年のクーデター以来、ミャンマーは広範な弾圧、大規模な強制退去、独立系労働組合の弾圧、そして労働者の権利の抑圧を担う残忍な軍事政権によって支配されている。現在も続く深刻な人権侵害の証拠が数多くあるにもかかわらず、シオン社はミャンマーの戒厳令下にあるヤンゴンの工場で、ベルギー軍の軍服の生産を継続している。

労働組合は、シオン社のミャンマーにおける産業活動は軍事独裁政権を正当化するだけでなく、その暴力的支配に間接的に資金を提供していると指摘している。「ベルギー国民の税金が、市民を殺害し労働者を迫害する政権を支援するのは容認できない」と、インダストリオール加盟組織であるFGTB、CSC、CGSLBの各組合は声明で述べた。

2021年、インダストリオールは、すべての衣料品ブランドにミャンマーからの撤退を求めるグローバルキャンペーンを開始した。H&M、インディテックス、リドル、C&Aなど、多くの大手企業が撤退した。しかし、シオンは、労働組合の再三の要請を拒否している。

先ごろ、シオン社のCEOであるバート・ヴェルヴェイク氏および最高経営責任者であるミシェル・シオン氏との会合で、ベルギーの労働組合のリーダーたちは、民主主義と労働者の権利が回復するまでミャンマーでの事業を停止するよう、改めて同社に要求した。彼らは、生産拠点をチュニジアやインドネシアにあるシオン社の他の施設に移し、ヤンゴンの労働者たちに一時的な補償金を支払うことを提案した。

組合はベルギーのテオ・フランケン国防大臣にメッセージを送り、政府が提案している45億ユーロの防衛予算増額が海外での搾取的な労働や抑圧的な政権を支援するために使われることがあってはならないと警告した。また、公共調達における人権条項の厳格化と、サプライチェーン全体における人権の尊重を義務付けるよう強く求めている。

「政府は、この支出はベルギー産業の強化のためだと言っている。それなら、他者を犠牲にするのではなく、真にベルギーの労働者の利益となるようにすべきだ」

と組合は述べた。

「ミャンマーからの責任ある撤退を求めるインダストリオールの呼びかけは、企業が同国での製造を中止するまで変わらないだろう。人権と労働権の侵害を示す圧倒的な証拠に直面し、いくつかの大手ブランドは撤退した。ミャンマーで生産を維持している企業は、明らかに人命よりも利益を優先している」

と、インダストリオールのアトレ・ホイエ書記長は言う。

【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/belgian-unions-demand-end-to-military-uniform-production-in-myanmar